大光炉材60年史
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97記念座談会 その1[松永守央先生をお迎えして]大光炉材の10年後を語ろうと、慢性的に人手不足という事態も考えられるわけです。ですから、あまり具体的なイメージはないのですが、もう少し機械化が進んでほしい。若い人でも働きやすい環境が実現してほしいですね。荒川 私は人を育てることがまず一番の夢でして、部では今年のスローガンとして「アグレッシブ」つまり能動的に自発的にを掲げています。松永先生が言われましたように、全体を見る力が必要という視点で、その製品がお客さまのどこで使われて何に寄与して世の中の役に立っているのか、そういうことがわかる加工者。営業マンでも、お客さまの希望を聞いて帰って、それを自分で加工できて出荷までしてしまえるような感じですね。さらに言うと、新素材にも耐火物にも興味があるし、テックさんの工事にも参加できる、炉の知識もあって電気系の知識も軽くかじっている、そういった積極的な意識を持つ人を育てたい。自分もそうなりたいし、みんなにもなってもらいたいというのが夢です。確実に仕事は楽しくなるでしょうね、そのほうが。大庭 先ほどの流れで、やはり1番になりたいなと思います。売り上げで1番というのは、企業規模の問題もあって難しいかもしれませんが、技術面では不可能ではないと思います。たとえば以前、コンクリート業界の展示会に行ったときに、自己修復というような言葉が結構見られまして、まだ研究レベルかもしれませんが、ヒビ割れたりすり減った部分に水をかけると、カルシウム成分でもって自己補修しますよと。もちろん耐火物ではそうはいきませんが、そのようなイメージですね。新しい発想で耐用を延ばす、そういうような発想を活かせば新しいものも見つかるのではないか、そういう技術で1番をめざしていきたいと思っています。1番になると、ますますうっとおしがられるのが楽しみですね。大庭 そうですね、小さな杭は打たれるでしょうけど、大きな杭になると打たれないんじゃないかなと。幸野 メインのお客さまは製鉄会社ですので、鉄の生産量が当社の売り上げに影響を及ぼすわけですが、10年後はどうか。生産量が2倍になるっていうことは考えにくいし、むしろ減るかもしれないというイメージはあります。そこでしっかりとシェアを守っていくことが必要なのは当然ですが、やはりプラスアルファで何か利益を出すために、海外に出ていくのも楽しいんじゃないかなと。当社はライセンスを他国に提供していますが、世界各国にエリアを広げて、ライセンスであれ材料であれ使っていただきたいし、いろんな国に行ってみたいですね。 あと、大庭君が言いますように、ナンバーワン、あるいはオンリーワンということで、うちにしかない独特な何かを作っていけばいいんじゃないかなと。たとえばインターネットでアマゾンに注文すると、速い場合だと翌日に商品が届く、どうしたらそんなにスピーディにできるのかなと思いますね。ですから、たとえば当社もお客さまの緊急の要求に対処できるシステムや工場を作ってもいいんじゃないかな。そういうオンリーワンも含めて、ぜひ考えていきたいなとは思っています。奥野 技術サイドでは、幸野君が言いましたように材料でナンバーワンをめざしつつ、やはり海外展開は非常に重要なことだと思っています。私は、購買や生産のほうも見てきまして、山下君とかぶるんですけれど、フルオートメーションの生産ラインをぜひ作りたいと思っています。それを海外にもライセンス展開していきたいと。現状でのライセンス提供は、材料の配合技術を教えることがメインですが、生産設備まで含めた提案をして海外に工場を建てる、そういったところまで踏み込んだ活動ができればと思います。ラインで提供すれば、その工場も助かるだろうし、それを足掛かりに世界規模の企業になっていけるんじゃないかなと。10年

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