大光炉材60年史
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94 発が行えていないなという認識があります。現実的には、どうしてもコストダウン等の厳しい状況が立ちはだかってきますが、たとえば納豆のパッケージなんかでも、ものすごく細かい技術革新が行われているんですね。耐火物においても、まだまだできることがたくさんあると思います。いつも耐火物のことを考えている、そんな耐火物バカになってでも、いつかはすごかったねというような材料開発に結びつけたらいいなと思っています。幸野 当社の場合、社長が言われたように親会社、つまり後ろ盾がないので、どうしても負けられないというか、技術で勝負しないとというプレッシャーを感じています。私だけじゃなく皆さんそうだと思います。親会社があると楽なんだろうな、とか思ったりもします。社長 許してもらえるならもらいたいと。幸野 はい、でも当社はそうはいかない。不定形耐火物は、ある意味で半製品と呼ばれまして、お客さまのほうで練っていただいて製品になる。それでいて、いま製品自体が成熟しつつあって、性能を比較してびっくりするようなものが出にくい環境になっています。ですから、何かプラスアルファで付加価値を見出す方向の開発を今後目指さなくてはいけないのかなと。やはり、大光さんの材料を使いたいねと言ってもらえるようになりたいです。他社で同じように座談会があったら、大光炉材は食いついてくるなんて、話が出るかもしれませんね。幸野 それだとうれしいですね。社長 そうならなければいけないと思いますよ。松永学長 やはり業界の中にそういう企業がないと、業界自体が弱くなるでしょう、間違いなく。一方で、独立系だから社長がズバズバ判断できることもあるわけです。社長 製鉄所のOBが社長になられたりすると、以前お客さんだった人が今は同業者という形になる。外の会議で会っても、近寄りたくないと思われてるかもしれません。幸野 直接言われたことがあります、「うっとおしい」と。ですが、これは褒め言葉だと思っています。大庭 いま2人が言われたことの延長ですが、技術サイドから言えば、価格設定ありきの開発というのは、やはり楽しくないなと思ってしまいまして、また価格勝負に持ち込んでもなかなか勝てないというか、厳しくなってくると思うんです。やはり技術の大光ということで、少々高くても使ってくれたりとかそういったところに活路を見出したい。ですから、こんなことを試したいから、それを試させてくれるような環境を作っていただければ、業界全体としても、より発展していけるんじゃないかなというふうに思います。森下 でも価格ありきでなくて、作ればいいんじゃないの?大庭 それを次に言おうかなと思ってたんですけど、価格云々は前振りということで、結局はさっき幸野さんが触れたように、最後は飛び抜けたものを作るしかない、作っていきたいと思っています。森下 営業に対しては、これだけいいもの作ったから売ってきてくれと、はっきり言えばいいんじゃないかな。価格のことを足かせにしてしまわずに。幸野 現場にあわせてのマイナーチェンジと、同時にフルモデルチェンジもねらっていかないと、とは思います。

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