大光炉材60年史
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91記念座談会 その1[松永守央先生をお迎えして]大光炉材の10年後を語ろう理やりでも新聞を読ませるような講義をするとかですね。雑学でもいいから、いろんな情報を取り入れて自分なりに判断する訓練をしておく。社会に出たら、そういうものがパターン化された知識として入っている、そういう効果を発揮できる時代じゃないかと。 この傾向が落ち着くのに、やはり20年くらいかかると思うんです。そう簡単には落ち着かない。なぜ落ち着かないかっていうと、グローバル化が進んでいて、日本人の考え方と中国人の考え方は当然違うはずで、東南アジアやインドになると、また違ってくる。同じ製品でも、見方や考え方が一定じゃない。アフリカまで行ったときにどうなるのかってのは、ちょっと予測がつかない。 それで一つの方法として、大学のなかに外国語しかしゃべれない空間を作りました。そのスペースのオープニングがあって、留学生と話してたのですが、彼らが日本を見る目っていうのは、同じものを見ても日本人とは違っているわけです。そうすると、先ほど奥野さんが言われた、他社に負けないという視点ですが、今までの「他社に負けない」と、これからの「他社に負けない」のとは、同じとは限らないのです。そこに、やはり知恵が必要であって、そういうものが若い方には求められているんじゃないかなという気が強くしています。すごいですね、外国語しかしゃべれない空間とは。奥野 英語だけということですか?松永学長 基本的には英語が共通語ですね。しかし留学生からいろんな提案があって、韓国語の講座やりたいとか、フランス人はフランスのロック音楽をかけたいとかですね。日本語以外であればいい。社長 松永先生は、ロシア語もおできになって。松永学長 研究のため必要に迫られて、10年くらいロシア語の論文を読んでいました。全部読むと時間がかかるから、とりあえず図だけを訳してみて、役に立つと思ったら全部訳す。今の若い人たちは中国語とかハングルとか、けっこう興味があります。打算的な意味で役立つだろうと考えるようです。中国語の講義があるのですが、4年生とか大学院生が受けに来るので理由を聞くと、どうも中国に赴任しそうだからと。ある意味、非常にセンシティブでいいですね、そういう反応ができるところが。奥野 中国語は話されている地域も広いですから。松永学長 広いですね。ただ発音が難しい。耳で聞いても、全然違う二つの語に聞こえたりします。奥野 当社でも月に1回ですが中国語講座を開いています。どうしても、やはり発音がひっかかります。そこの繰り返しなのですが、聞き取れないと前に進まないので。松永学長 本学の卒業生も、上海とかバンコクとかに駐在しているけれど、2年ぐらいいると身についているようですね。1年ぐらいでかなり話せるようになるっていいますから。ただ、やはり共通語は英語なんです。過去の苦労・失敗から学んだことここで話題をかえまして、過去に苦労した、あるいは失敗をしたといった事例がありましたらお聞かせください。山下 以前、購買に所属していたとき、ちょうど北京オリンピックがあって中国の規制が厳しくなったんです。当社は輸入原料が多く、なかでも中国への依存度がすごく高いのですが、な

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