大光炉材60年史
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85通史 第2部 第12章・さらなる飛躍に向かって(2007~2013)保有する技術集団として人材を育成してきたこと、そして大手鉄鋼メーカーの系列会社が多い耐火物業界の中で、創業以来、完全な独立資本を貫いていることなどが挙げられている。 平成24年(2012)4月26日にグランド・ハイアット福岡で開かれた「経営者賞」の表彰式の後、受賞を祝う祝賀会が小倉で開かれ、約300人が受賞を祝った。受賞後のインタビューで現在の心境を尋ねられた小林滉社長は、次のように答えている。 「私にとって仕事とは、人生そのものと言っても過言ではないでしょう。『人生とは山登り』と格言にありますが、進むべき道の過程で登ったり下ったり、迷わないよう人に聞きながら、雲に隠れて見えない頂(いただき)を目印に、必死に駆け抜けてきたら素晴らしい景色が広がっていた心境です」 副社長時代の流し込み樋材の拡販や、海外ビジネスの展開、ファインセラミックス事業への参入、そして経営危機とそこからの回復など、創立から60年目を迎えようとする大光炉材の陣頭指揮をとり続けてきた30年以上の日々を振り返った言葉であった。5.創立60周年に向けて 平成24年10月1日、国内大手鉄鋼業の新日本製鐵株式会社と住友金属工業株式会社が合併し、新日鐵住金株式会社が設立された。経営資源の集中による体制整備と、重複部門の統廃合によるコスト削減などにより、国内外での競争力強化のためには合併が不可避との検討がなされたものと思われる。 社内報「TAIKO」(9月30日発行)の中で、小林仁志副社長(当時)は「(2社の合併により)減損処理をした後に(中略)価格改定のリクエストも入ってくるでしょう。」と前置きしながらも、品質面および納入体制に万全を期す姿勢を保っていきたいと述べている。 平成25年5月の取締役会において、前社長 小林滉が代表取締役会長に、前副社長 小林仁志が代表取締役社長に就任した。また前取締役 小林幹平が取締役副社長に就任した。またその前月、社内体制の改変がなされ、営業統括部を営業部と改組し、新設した営業本部が営業部・海外部・新素材開発部を掌握することにした(当時)。さらに技術統括部を技術本部に、業務統括部を業務部に改組した。 小林会長は、34歳での就任から66歳まで社長を務め、また今後も社長とともに当社の経営指揮を続けることになった。また小林仁志社長は、経済誌「ふくおか経済」の誌面で「固定観念に縛られず、多くの知識を吸収し、新製品・サービスを開発することが、3代目社長を継いだ私の役目だと思っています」と述べている。(次頁に転載) 新経営体制の下、当社は60周年の節目を新たなスタートラインとし、前進を続ける。クリーンアップデ―での清掃のあと、バーベキューを楽しむ(H25.7.19)くきのうみ花火の祭典(H25.7.19)

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