大光炉材60年史
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6 イノベーションを目標に 創立60周年を迎えられましたこと、誠におめでとうございます。古来中国では、還暦は干支がひと回りして再出発すると言う意味から、大変重要でかつおめでたい年であると言われています。顧みれば、創業者である小林武爾氏が社是を定め、価値あるものの創造と人材育成を掲げられ、60年後その理念が益々重要となっていることは先人の慧眼であります。 21世紀に入り、機能や品質といったものの価値に、更に付加価値が求められるようになりました。所謂「ものづくり」と「コトづくり」の両立です。研究と開発は車の両輪と言われるように、研究やマーケティング、商品企画、サービスは製造・組み立てと並ぶ重要な要素です。これを支えるのは、人材です。会社の興廃は人材に懸かっているとの信念を強く持たれ、今日の発展に繋げてこられたのが第2代社長の小林 滉氏(現・代表取締役会長)と第3代社長の小林仁志氏です。 会長及び社長は、京都大学や九州大学、九州工業大学とのネットワークを拡げられ、社会人博士後期課程修了者を数多く輩出されました。若い柔軟な頭脳集団の活躍が期待されます。かって、「経営とは何ですか?」を小林 滉会長にお尋ねしたことがありました。その御返事は、「ヒト、モノ、カネと言うけれど最後はヒトですね!」とのことで、深い経営哲学の一端を垣間見た思いでした。 グローバル化の時代を迎え、イノベーションは益々重要性を増しています。最近、産学連携が盛んですが、産学連携はあくまでイノベーションの誘発剤であり、大学は①ネットワークを礎としたプラットフォームの機能、②イノベーションエンジンとしての新たな技術パラダイムの探究、③リファレンスとしての新しい価値観の創造を通した社会システムのイノベーションに貢献することが責務です。私共高等教育機関関係者は、ミクロレベルの産学インターアクションとしての相乗効果、連鎖的プロセスとしての派生効果を目指してまいります。 末尾となりましたが、大光炉材株式会社の創立120年に向けての御繁栄を、心からお祈り申し上げますと共に確信致します。祝 辞福岡工業大学学長 下村 輝夫

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