大光炉材60年史
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65通史 第2部 第9章・高い質の追求(1990~1995) さらに、業務部に営業事務合理化プロジェクトチームを発足させ、管理部門は最小限の人員で構成し、「小さな本社」を実現させていくための取り組みをスタートした。 平成6年(1994)は大光炉材が創立40周年を迎えた記念すべき年だった。4月13日には本社で毎年恒例の戸畑八幡神社(現飛幡八幡宮)の神官を迎えた神事と、記念式典が開かれた。その祝賀気分はそこそこに、鉄鋼業界の合理化策に対応した改革に着手し、21世紀に向かっての歩みをスタートさせた。5.新素材事業が黒字化を達成する ファインセラミックス統括部の発足から10年近くを経たファインセラミックス事業は、バブル期には好景気の波に乗り順調に販売を伸ばし、収支均衡のラインまで近づきかけたが、その後の不況で販売が低迷し、この時期、転機を迎えていた。平成3年(1991)10月に上野尚弘が部長となり、平成4年(1992)12月にファインセラミックス部から新素材開発部に改称した。 改称の理由について、上野は次のように記している。『夢の素材』と囃(はや)されたセラミックスフィーバーが終わり、今改めてファインセラミックス産業の状況を見ていますと、エレクトロニクス産業用の電磁気部材が大きな比重を占め、当部が活動している構造用ファインセラミックスの普及は、当初の注目と期待にも関わらず立ち遅れた状態にあります。これはファインセラミックスの『コスト』『もろさ』『信頼性』という面で拡大が阻止されているからです。 当部もこの9年間で、他社と同等レベルのアルミナ・ジルコニア・窒化珪素・AZM等の製品化に成功していますが、同等レベルの物では設備の関係で、コスト・加工精度等で苦戦を余儀なくされています。今度はもっと別の機能を付加した材料でないと他社との競争に打ち勝てないと考えられます。 以上の趣旨で、金属材料・機能性材料・複合材料等の新素材についても販売や開発の範囲を広げます。勿論、従来のファインセラミックスは製造していきます。社内報「大光」297号(平成4年12月15日)より

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