大光炉材60年史
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63通史 第2部 第9章・高い質の追求(1990~1995)してきたが、総合的なスペースの不足をきたしていた。 新事務棟は建設面積約409㎡、延床面積約1,789㎡、鉄骨造5階建で、外観にも趣向を凝らし、工場の事務棟というよりは都会的なホテルのような印象を受けるデザインを採用した。近隣の建物のなかではもっとも高く、目立つ建物になったが、それは小林滉社長が意図するところであった。「とにかく、工場というイメージを変えたい。それによって注目が集まれば、求人にも効果があるのではないかと考えた」という。時代を先取りした斬新な建物で、「従業員の満足度の充足によるモラールの向上と、業務の改善・機能の充実による生産性のアップ」を目指すものだった。具体的な設備と機能について、当時の大分工場長であった梶原哲男が社内報「大光」296号(平成4年11月15日)に次のように書いている。 従業員満足度重視の具体例の第一は、五階のフィットネスルーム(185㎡)です。ランニングマシン・トレーニングマシン・エルゴメーターを備えたトレーニングルームであると同時に、バドミントン・バウンドテニス・卓球ができる体育館でもあります。同じ階の大浴場(50㎡)には6.5㎡の浴槽にサウナがあり、別府湾の眺望も楽しめます。この五階は、社員のリフレッシュフロアーというわけです。四階の食堂をかねた休憩室(123㎡)からは大分市の中心街が望め、同じ階のキルタイムルーム(21㎡)では靴を脱いでゆっくりとくつろぐことが出来ます。また、9人用エレベーターは通用口にあり、従業員優先になっています。 機能充実の具体例としては、蛍光X線分析装置があります。二階の精密機械室(33㎡)に設置。入荷原料及び製品の分析がこれまでより二日間短縮され、結果を踏まえての迅速な対応が可能になります。三階の工場事務室(142㎡)と営業事務室(81㎡)は、今後進めなければならない「OA化」「本社とのオンライン化」「FAシステムの導入」に備えたアクセスフロアーとなっています。又、営業事務室が一緒になったことによって、きめ細やかで速やかな情報の交換と相互理解の深まりが期待されます。 業務改善の具体例としては、品質管理・業務・工務を二階のワンフロアー(107㎡)にまとめたことが上げられます。情報と物の移動距離を短くすると共に、意思の疎通を密にすることにより業務の効率化を意図しています。一階の試験室(98㎡)には、必要に迫られての増設で雑然と配置されていた試験機器類が、機能的に配列されます。 大分工場の新事務棟は、平成4年(1992)12月21日に起工式を行い、平成5年(1993)7月に竣工した。小林滉社長が意図したとおり、新事務棟は地元大分で大きな話題となり、大分合同新聞には「こんな会社に入りたい!!」と題した記事が写真付きで掲載された。 また、この新事務棟建設のほかにも、君津工場では平成4年(1992)完成した大分工場新事務所棟梶原工場長による玉串奉奠

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