大光炉材60年史
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62 人間の心の問題、心の豊かさの問題、これが90年代の大きな課題ではないでしょうか。 当社も遅ればせながら、リフレッシュ休暇や、新年度における炉材の方の新しい賃金体系というものも、質の高さを求めた形にもっていきたいという、企業の気持ちの現われであると思います。 皆様方が、充分な質の高さ、或いは、心の豊かさを求めた企業経営を考えていく問題ではないでしょうか。 新年度にあたりまして、年度方針の中に「高い質の追求」、とありますが、この質というものを、今後我々が絶えまなく探し求めることが重要な経営課題であり、我々にも、経営というものの中に大いに求めていきたい、そのような企業を造っていきたいと思いますので、皆様方のご協力をお願い致します。 社内報「大光」265号(平成2年4月15日)より 「高い質の追求」は、製品はもちろんのこと、社員教育や人材育成、社内環境、福利厚生など待遇面も含めた会社としての質の向上を目指すものであった。 最初に実施したのは福利厚生の向上で、平成2年(1990)4月には小林滉社長の言葉にあるようにリフレッシュ休暇制度を導入し、翌平成3年(1991)4月には週休2日制を実施した。 バブル期に中堅・中小企業が苦しんだのが人材確保だった。景気のピークが過ぎても1990年代の前半は、求人をしてもなかなか応募が少ないという状況であった。大光炉材にとっても、若く優秀な人材を確保して戦力として育成していくことが大きな課題で、そのために待遇面の向上とともに、社内環境を整えていくことに注力していくことになった。3.大分工場の新事務棟建設 平成4年度(1992)の基本方針は、「21世紀へのプロローグ ○社内環境の整備 ○人材の確保 ○高効率化」であった。小林滉社長は、その新年度の最初の朝礼で、次のように話している。 「今年は、企業基盤の整備を重点目標として、進む方向を考えていきます。『企業基盤』とは漠とした言葉ですが、要するに時代に対応しつつ、しっかりした企業体質を作る第一歩を踏み出したいと思います」 その具体的な行動の一つが、大分工場の新事務棟建設であった。 昭和46年(1971)に操業を開始した大分工場は、20年以上を経て事務棟が老朽化していた。そして、生産量も開始初期には月産1,500~1,600トンだったが、昭和61年(1986)に戸畑工場を統合して以後は月産2,000トンを超え、平成に入ってからは月産2,500トン前後と増加していた。また、この20年間で生産品目もローセメントキャスタブル耐火物を中心に多種多様になっていた。その間、近隣の倉庫の借り上げなどで対応NHKモーニングワイドで海外進出企業例として紹介される(H2.5.25放送)RKBテレビ『Gな気分で』に出演した小林社長(H3.1.17放送)女子社員の制服も一新される(H2.5.15)

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