大光炉材60年史
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47通史 第2部 第6章・鉄冷えからの新たな飛躍(1976~1982) 購買部長 森 洋二 生産本部長 福永 勇 戸畑工場長 津留智之 君津工場長 安田革郎 大分工場長 小山幹男 あわせて組織改編もおこなわれ、新組織ではスタッフとラインが明確に分離され、営業・生産・開発研究の三本部制がより強化され、集団指導体制が明確になった。主要マーケットである鉄鋼業界が大きな転換期を迎えるなか、大光炉材の命運は若き経営者である小林滉副社長を中心にした新体制に委ねられることになった。2.心技一体を理想として 小林 滉副社長は、昭和52年(1977)11月に発刊された「大光のあゆみ三十年」のなかで、「未来への挑戦」をテーマとして次のような一文を寄せている。当時の心境を垣間見ることができるので、引用してみる。 「心技一体をわが社の理想として」 代表取締役副社長 小林 滉 「心技一体」―これがわが社の理想であります。心とは、人間の心、つまり企業でいう人材、技とは企業でいう技術であります。この技術は物を造ることだけでなく、物を売ることも含まれると思います。 企業にとって、この人材と技術は車の両輪であります。これが、うまくかみ合わないと、企業の生々発展はないといえます。とくに人材は、その頭脳の働きにより、あらゆるものを創造し、先見し、運営していくわけですから、企業繁栄のカギは人材にある、といっても過言ではないでしょう。 企業には、その人材の能力をうまく発揮させるための仕組みとして、組織があり、また、さまざまな管理方法があるわけですが、私は、企業において、何よりも優先して重要な条件は、人そのものに心のある仕事を、いかにして発掘させ、それをいかに成果として結実させていくかであると、考えています。外にあっては、お得意先のごひいき、内にあっては、労使間の信頼・協調が得られるのも、すべては、この心が出発点であると思うわけです。 心を求めることは、ある意味では遠い道であるかもしれません。私は、個人も企業も、心を大切にしたいと思うのです。 つぎは技。具体的には技術であります。これも、正しい心が出発点であると思います。企業が生存発展をつづけるか否かは技術、つまり固有の技術をもっているか、どうかで勝負が決まると思います。 ところで、政府の景気浮上策が打ち出されたのもつかの間、外圧

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